エモティーボ EMOTIVO

本作はアルゼンチンでは、新世代によるポップ、フォルクローレ、またはジャンル分け不可なダンス・ミュージックをリリースするレーベル、ロス・アニョス・ルス・ディスコから発売されており、キャリア約40年、御年64歳になりつつも、常に時代をリードし、新たな音を模索し続けるウーゴらしい姿勢が伺われます。ウルグアイで生まれ育ったウーゴにとって、アフロ・ウルグアイアンのカンドンベのリズムは心に深く刻み込まれたもの。そんな彼のピアノとヴォーカルを盛り上げる3つのタンボールは、ディエゴ・パレデス、フェルナンディート・ヌネェス、ニコラス・ペルッフォの20歳代の若手3人と、実弟でトリオ・ファットルーソでも共演しているオスバルド・ファットルーソ\\。アルバムは、カンドンベやムルガといったアフロ・ウルグアイ音楽にファンクやジャズやロック、タンゴをフュージョンさせるウルグアイ音楽の第一人者的存在、ルベン・ラダの名曲『Sale el sol』から始まります。「タンボール、ウルグアイ。太鼓奏者たちの大家族。兄弟たち、叔父たち、友人たち、ここに存在するよりももっと土着的なフォルクローレを表現するために集まるのだ」という熱い歌詞にのせられたウーゴの力強いヴォーカルとピアノに思わず鳥肌が立ちます。3曲目、『tambores』では、エネルギーに満ちあふれたウーゴのヴォーカルは、さらに昇天し、アフロ・ウルグアイ・ラップとでも称したくなるようなスピード感のある声を放ちながら、鍵盤を自在に操ります。同時に、タンボール、オスバルドのパーカッションの音も爆裂し、それぞれの楽器が緊張感を持ってウーゴに対決を挑んでいるような雰囲気が感じられます。6曲目では、ウルグアイ現代ポピュラー音楽のパイオニア、フェルナンド・カブレラの郷愁感漂う唄をカンドンベのリズムでカヴァーしており、まるで映画音楽のような美しさを響かせています。さらに、本作にはアルバムの3曲（1,3,5）の特典映像が付いてます!!レコーディング風景やウルグアイの首都モンテヴィデオで行われるカンドンベのお祭りの模様など、いつまでも見ていたくなるような楽しい映像は必見です!!90年代にキップ・ハンラハンがルンバを進化させ、ワールド・ファンを越えてロックやジャズ・ファンなど多くの音楽ファンに衝撃を与えたように、本作は、カンドンベを現代的に、新鮮でエキサイティングな方向へと導いていく斬新な一枚。幅広い展開をよろしくお願いいたします。