アディス・カン ADDIS KAN

『エチオピーク・シリーズ』の登場により、日本でも良く知られることとなったエチオピアン・ポップ。日本の演歌や音頭と何処か似た哀愁の響きを持つメロディー・ラインを、ブローしまくるサックスやシャウトしまくるコブシ・ヴォーカルが、これ以上ないファンキーさで演奏し、我々に衝撃を与えてくれました。本作のフランスはブルターニュ地方のバドゥムス・バンドもまた、エチオピアン・ポップに魅せられたグループです。ことの始まりは、ブルターニュのバンド、カン・ナ・ディスカンのリーダーでヴォーカリストのエリック・メヌトーが，そのレパートリーにアフリカやカリブの曲を加えていった段階で，7年前にエチオピアの60年代の曲に出会ってしまったことでした。エチオピアの歌手の使うコブシやフレージングが，ブルターニュの伝統的歌唱などと極似していることに気付いた彼は、エチオピアに行く度に60-70年代もののミュージック・カセット集めまくり、半端ではないレパートリー探しに取り組んだそうです。そしてついにカン・ナ・ディスカンのメンバーを引き連れ、さらにジャズ系のミュージシャンを集めて８人の新しいエチオピアン・オーケストラを結成してしまいました。地道な活動を続けた結果、エチオピアのオーティス・レディングことマハムド・アハメドと同じくジェイムス・ブラウンことアレマイエユー・エシュテがその噂を聞いて共演を申\し込んでくるほどになったそうです。特にマハムド・アハメドの惚れ込みようは度を抜いていて「今日，世界一のエチオピアン・バンドはこのブルトン人たちだ」と褒めちぎっています。本ファースト作は、エチオピアから発掘した未発表曲のスタジオ録音を中心に、最後の曲ではマハムド・アハメドとのライヴ音源も収録。ファンキーかつ愛情溢れるエチオピアン・ポップを繰りひろげています。さらにエンハンストで、彼等がエチオピアに行ったときのドキュメンタリー（９分強）もmpgファイルで収録。マハムド・アハメドも登場しています。