ディアドルフ・アンド・ジョセフ DEARDORFF AND JOSEPH

■マーカス･ジョセフの｢伝えたかった言葉｣が名盤探検隊シリーズで再発され､AORファンの間で話題となったのは､今から5年前の夏のこと｡同年にはこのマーカスのソロをプロデュースしたパーカー･マッギー唯一のソロ作品までもがこのシリーズで発売になり､AORやSSWファンには豊作の年だったことを思い出します｡
そのマーカスが車椅子のシンガー・ソングライター、ダニー・ディアドルフと組んだデュオ“ディアドルフ＆ジョセフ”が本邦初登場です!!

■プロデュースを手掛けたのは､ベテランギタリストのルイ・シェルトンとシールズ＆クロフツのジム・シールズ。シェルトンはシールズ＆クロフツやイングランド･ダン＆ジョン･フォード･コーリーのプロデューサーであり､同時期に発表されたボズ・スキャッグスの名盤『シルク・ディグリーズ』でも好サポートを見せていました。そうした縁からなのか、このアルバムには、マーティとデイヴィッドのペイチ親子、ジョーとジェフ＆マイクのポーカロ親子、デイヴィッド・ハンゲイトといったTOTO一派やディーン・パークスやビル・クオモ、ジョン・グェラン､ジム･シールズの弟､ダン･シールズといった名うてのセッション・メン、ウォーターズやエドナ・ライトなどのヴォーカル陣が大挙参加してます!!

■冒頭のやE.ダン&J.F.コーリーが80年に再ヒットさせるジェフリー･コマナー作の（77年3月に全米109位､アダルト・コンテンポラリー・チャート22位）が本作のハイライト!!アルバム全体としてメランコリーなミディアム?スロウが中心になっていて､ウエスト・コースト特有のアコースティック・サウンドと爽やかなハーモニーを存分に味わえる傑作となってます!!76年リリースということもあり、新緑の香りが漂ってきそうなプレAOR的な仕上がりとでも言いましょうか。言い換えれば、70年代前半に一世を風靡したアコースティックなサウンドが、都会の風に晒され始めた頃の音ともいえるでしょう。シールズ＆クロフツ､イングランド・ダン＆ジョン・フォード・コーリー､ビル・ラバウンティ､マイケル・ジョンソン､ルブラン＆カー､セヴェリン・ブラウンあたりがお好みならジャストといえるサウンドです!!