Blog by 福田直木

福田直木『CROSSOVER LABORATORY』

スティーリー・ダン・フォロワー特集

こんにちは。
ブルー・ペパーズの福田直木です。
僕がFMヨコハマからお届けする『CROSSOVER LABORATORY』
いつもお聴きいただきありがとうございます。

この番組では70年代から80年代に流行した豊かな音楽、AORやクロスオーバー、フュージョン、ブラックコンテンポラリーなどから僕がお気に入りの曲をピックアップして、その聴きどころなどをご紹介しています。

このブログでは番組でご紹介した作品を再度ピックアップしてお届けしています。

今回は最近のスティーリー・ダン・フォロワーを集めてみました。

 


★BMPD
Smooth Reunion / Cleaning Up the Business / 2008

 

 

 

 

 

 

2000年代のAORではトップクラスの1枚だと思います。スティーリー・ダンへの深い愛が感じさせつつも、重たい雰囲気は感じさせずに、爽やかに料理しているのが今っぽくていいですよね。彼らはスウェーデン発の2人組で、このアルバムの前に、もっと思いっきりスティーリー・ダンっぽい作風の『Scandinavian Bus Mentality』というデビューEPを発表しているんですが、これが入手困難でね。どこかのタイミングで配信や再発してくれたらいいなーなんて思います。
アシッド・ジャズが好きな方とかはこのスムース・リユニオンやサミュエル・パーディーとかを入り口に、AORに入ってくるのも良いんじゃないかな、と思いますね。

 

★Island In The Sky
Paul Steel / Carousel Kites / 2018

 

 

 

 

 

 

 

 

この人はイギリス出身の32才くらい(?)の若い宅録系のシンガーソングライターで、普段はビーチ・ボーイズやヴァン・ダイク・パークスに影響されたようなポップスを演っているので、AORとはあまり関連性の少ない人なんですが、最新アルバムのこの曲は”モロBlack Cow”な感じなのでね、ぜひこのラジオを聴いているAOR好きな皆様にご紹介したいなーと思って選んでみました。
もともとは僕もこの曲のデモバージョンがSoundCloudでたまたま流れてきたのがキッカケで知ったのですが、他にもスティーリー・ダン・オマージュっぽい曲をやっているので、みなさんも気に入ったら是非チェックしてみてくださいね。

 

★Captain’s Refusal
Ed Motta / Perpetual Gateways / 2016

 

 

 

 

 

 

 

 

エヂ・モッタはブラジルのソウル系シンガー・ソングライターのチンマイアの甥っこさんで、叔父さん譲りなのかは分かりませんが、ブラジル音楽だけに留まらず、ソウルやAOR、日本のシティ・ポップスにも精通している音楽マニアで、作品にもそのマニアっぷりがいかんなく発揮されているのが聴いていて楽しいですね。
本当は最新アルバム『Criterion Of The Senses』の曲を掛けようと思ったのですが、Black Cowっぽいリズムで来たので、1つ前のアルバムからコチラの曲にしてみました。このアルバムのA面は全曲、スティーリー・ダン風なAORチューンになっていて、グレッグ・フィリンゲインズとパトリース・ラッシェンが曲ごとに交代でキーボードを演奏しているのが聴きどころですね。今の曲のキーボードはグレッグ・フィリンゲインズでした。

 

★Black Cow
Hamish Stuart, Reuben Fowler Big Band, Paul Booth & Jason Rebello
/ Black Cow – Single / 2018

 

 

 

 

 

 

 

 

これは最近リリースされたBlack Cowのカバーの配信シングルで、原曲にかなり忠実なカバーなんですが、なんといってもアヴェレイジ・ホワイト・バンドのヘイミッシュ・スチュアートがボーカルをとっているのがAORファンには要チェックなポイントかな、と思います。あとね、キーボードを弾いているジェイソン・リベーロという人が天才的でね、彼のソロ・アルバムもジャズ・フュージョンが好きな方は要チェックです。2013年の『Anything But Look』というアルバムがオススメかな。ジェイコブ・コリアーとかも参加してます。ということで、彼の弾くキーボード・ソロにも注目して聴いてみてください。Youtubeにはレコーディングのドキュメンタリー的な映像も上がっているので、それも見てみると楽しいですよ。

 

★Cold Front
The Sonic Executive Sessions / The Sonic Executive Sessions / 2011

 

 

 

 

 

 

 

The Sonic Executive Sessionsといのはクリスチャン・フィリップというシンガー・ソングライターを中心とするプロジェクトで、ビーチ・ボーイズやクイーンに影響を受けたパワー・ポップ的な音楽をやっているアーティストなのですが、その唯一のアルバムの中にめちゃめちゃスティーリー・ダン的な素晴らしいAOR的な曲が入っているので、今回ご紹介したいと思います。
バビロン・シスターズやホーム・アット・ラスト的な遅いハーフ・タイム・シャッフルを土台に、TAKE6的なジャズ・コーラス的な要素も盛り込まれている通好みな曲なので、AORファンの方、要チェックです。アルバム全曲素晴らしいので、是非アルバムを手に入れて聴いてみてほしいです。