Blog by 福田直木

福田直木『CROSSOVER LABORATORY』

ペイジズ特集

こんにちは。
ブルー・ペパーズの福田直木です。
僕がFMヨコハマからお届けする『CROSSOVER LABORATORY』
いつもお聴きいただきありがとうございます。

この番組では70年代から80年代に流行した豊かな音楽、AORやクロスオーバー、フュージョン、ブラックコンテンポラリーなどから僕がお気に入りの曲をピックアップして、その聴きどころなどをご紹介しています。

このブログでは番組でご紹介した作品を再度ピックアップしてお届けしています。

今回はペイジズの楽曲のカヴァー曲も含めて集めてみました。

★If I Saw You Again
Pages / Pages / 1978

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お聴きいただいたのは、ペイジズの1978年発表のファーストアルバムから「If I Saw You Again」という曲でした。
AORファンにはおなじみかと思いますが、ペイジズはリチャード・ペイジとスティーヴ・ジョージの2人を中心とするバンドで、3枚のアルバムを残していますね。
次第にバンドメンバーを削ぎ落として作曲ユニット的に変貌していく様や、凝った音楽性は、スティーリー・ダンともどこか似ている、AORの中でも最も構築的な音楽をやっている、僕の大好きなアーティストです。
この曲はシンセの温かい音色が好きでね、1stアルバムは全体的にスティーヴ・ジョージのシンセが楽しめる比率は3枚の中で最も高いんじゃないかなと思います。
CDが廉価再発で手に入りやすくなった反面、レコードはどんどん見なくなってきたなーなんて思いますので、どちらもあるうちにゲットしておきましょう!

 

★O.C.O.E. (Official Cat of the Eighties)
Melvin Lee Davis / Genre: Music / 2011

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いてお聴きいただいたのは、メルヴィン・リー・デイヴィスの2011年発表のアルバム『Genre: Music』から、「O.C.O.E. (Official Cat of the Eighties)」という曲でした。もともとはペイジズの3rdアルバムに収録されている曲のカヴァーですね。
アレンジは原曲にかなり忠実で、ペイジズをかなり聴き込んでる方でも自然に聴けると思います。変化といえば、ボーカルが女性なことと、今風な楽器の音色になっていることぐらいでしょうか。
メルヴィン・リー・デイヴィスはベーシストで、元々は80年代にO’Bryan(オブライエン)のサポートをしていたり、90年代以降はリーリトナーの周りによく出没するフュージョン系のミュージシャン、というイメージですね。
AORとの接点はあまり無い人なので、Pagesのカヴァーをやっているのは意外な感じもしますが、すごく愛を感じるカヴァーなのが嬉しいですね。アルバムは多分デジタルのみのリリースなので、気になった方はチェックしてみてください。

 

★I Get It From You
Herb Alpert / Magic Man / 1981

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いてお聴きいただいたのは、ハーブ・アルパートの1981年発表のアルバム『Magic Man』から、「I Get It From You」という曲でした。こちらは元々はペイジズのファーストに入っている曲のカヴァーです。
原曲よりアップテンポで爽やかになっているのが素晴らしくて、僕はアレンジはこちらのほうが好きです。曲ごとのクレジットは無いんですが、おそらくデヴィッド・フォスター、ジェイムス・ギャドソン、エイブ・ラボリエルによる演奏かな、と思います。ハーブ・アルパートご本人の歌はちょっと頼りないですが、だんだんクセになってくるというか、AOR的なボーカルは意外とハマってるなーと思いますね。
このアルバムは最近までCDがめちゃめちゃレアだったのですが、今再発されているので今のうちに手に入れておくのがオススメです。

 

★Who’s Right, Who’s Wrong
Mel Carter / I Don’t Want To Get Over You ‎(Single) / 1981

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いてご紹介するのは、メル・カーターの1981年の「Who’s Right, Who’s Wrong」というシングルです。
これまたペイジズのカヴァーで、原曲は2ndアルバムの『Future Street』に収録されている名曲ですね。
この曲は他にもマーヴァ・キング、ケニーロギンス、フォー・トップス、アル・ジャロウとランディ・クロフォードのデュエットなどのバージョンがあるんですけど、今からお聴きいただくメル・カーターのカヴァーが一番良くできてるな〜と僕は思います。
聴きどころはなんといっても参加メンツの完璧さですね。アレンジがデヴィッド・フォスター/ジェイ・グレイドン/ニック・デカロというAOR界の巨人3人で、シングルオンリーなのでミュージシャンのクレジットは分からないんですけど、ドラムは明らかにジェフ・ポーカロ、キーボードとギターはエアプレイの2人で間違いないと思います。

 

★You Need A Hero
Pages / Pages / 1981

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はペイジズ特集的なカンジでお送りしてきたんですけど、その縛りに合うダサい帯があんまりなかったので、ここはペイジズの3rdアルバムの帯を読みたいと思います。
サードアルバムはジェイ・グレイドンがプロデュース!みたいな取り上げられ方をされることが多いんですが、ジェイのプロデュースはアルバムの全曲ではなくて、”You Need A Hero”と”Come On Home”の2曲は前作までと同じボビー・コロンビーでね、ぼくはその2曲のゆったりした感じが大好きなので、今日はその”You Need A Hero”を聴きたいなと思います。聴きどこは最後のフェードアウト際で暴れるジェフ・ポーカロのドラムですね。この人、いつもフェードアウトの聴こえるか聴こえないかギリギリのところでとんでもないプレイをしてたりするのが楽しいんですよね。