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So-Cal Connection The Immediate Family Japan Tour 2019 Vol. 1

The Immediate Family Japan Tour 2019 Vol. 1 

5月8日(水)
成田空港第一ターミナル南ウィング到着ロビーにて11ヶ月ぶりに私の兄貴達Danny, Waddy, Russ, Lee & Steveと合流!って感じにスムースに行かないのがこの業界なんです。先ず、フライトが到着して15分後くらいに、「We are here!」と言うテックスメッセージがWaddyから届きました。それから30分経っても何も連絡が無いまま、どうしたのかと思いながら待っていると、Waddyから「They are detaining me Kaz」と言う絶対に冗談だと思うテックスメッセージが! 私は冗談だと信じていたので「Yeah, right. Did you get your luggage?」と返信すると、「No, I am serious. I am in some room waiting for someone to ask me questions…fck」と言って来たのです。中部国際へのフライトは、しっかりとリーガル・コネクションタイムを満たす90分以上の余裕が有ったのですが、この時点で60分を切っていました。ちゃんと興行用のビサを取得しての入国ですので、入国が拒否されるはずが無いのです。とにかく、フライトの変更を考えなくてはいけないと思い、ビルボードのエージェントに電話を入れて状況を説明し、彼らの弁護士と直ぐに連絡が取れるように準備をお願いするのと、次のフライト、又は、その日の成田か羽田周辺での宿泊の準備が必要になるかも知れないことを伝えました。この日は朝からJALのコンピューターがダウンしていた為に、ANAの国内線へ変更された乗客達で、到着ロビーも含め物凄い混雑。さっきまでの虹が掛かっているように思えた税関からの出口が、突如暗雲に覆われてしまいました。とにかく、私はWaddyを落ち着かせる為に、「これは全てテクニカルなルーティンであり、数回に1度はランダムに誰もが体験させられることだよ。とにかく、何が起ころうともFワードは封印しろよ!出来るだけ紳士的に対応しろよ!」とメッセージを送りました。でも、自分自身がとても落ち着いているとは思えず、喉がカラカラになっていました。そして、ビルボードのエージェントとの2度目の電話の最中に、「I am cleared and we are picking up our luggage now! CU in 10!」と言うメッセージが入りました。

やっと5人が出てきたのですが、JALのコンピューターとは関係なく、ANAも前日に国内線のスケジュール変更が行われた為に、彼らがLAXでチェックインした時に最終目的地の中部国際空港セントレアまでの発券がされていなかったのです。その為、荷物を持った状態で大混雑のロビーを通り抜けてANAの国内線チェックインカウンターへ移動して、再度のチェックインを強いられました。第一ターミナルの国内線ロビーへのセキュリティーチェックの前には50mに及ぶ長い列が出来ていましたが、我々のフライト時間が迫っていたことからプレミア用の入り口から通過させてもらい、フライトにはギリギリで間に合いました。 私を含め6人全員がアイルシートを希望している為、通路を挟む形で3列に分かれて席に着き、ここで初めて再会を喜び合いました。もう全員クタクタ。何故かこう言う時に伝染する時差ボケの影響のみならず、先ほどの入管での出来事もあり、私はジュースと水を飲んだ後、着陸のショックを感じるまで爆睡でした。10分ほど遅れて成田を離陸したフライトでしたが、中部国際空港には定刻通りに着きました。ここではギターも他のラゲージと同じキャローセルに出て来ちゃったのに少々驚きました。我々のフライトの次の便の荷物が出始めてしまってもLeeとDannyのスーツケースが出て来なくて、疲れに加えて更なる暗い空気が漂っていましたが、私がANAのカストマーサービスのデスクへ向かい始めたら無事に2つのスーツケースが出て来ました。良かった!

名古屋ブルーノートの送迎車にて名古屋へ!1時間は掛かると言われていましたが、全く渋滞することなく40分足らずで名古屋観光ホテルに到着しました。 昨年の大阪の体験を基に、幾つかのレストランを仮予約していたのですが、今回は全員クタクタで食事はパスと言うことになり、翌日のことは何も決めないままに解散。ま、結果的には8時にロビー階のレストラン「Jardin」にて全員一緒に朝食ってメッセージがWaddyから届きました。私は流石にお腹が空いていたので、部屋で荷物を広げ、シャワーを浴びた後直ぐに近所を探索し、ホテルの直ぐ側に見つけた山本屋本店にて名古屋コーチンの焼き鳥と生ビールを1人で楽しみ、〆は味噌煮込みうどんと言うご機嫌なツアー初日を平和にスタートしました。ホテルに戻ると未だ20時半だったので、どうしようと思いながら、名古屋観光ホテルの看板バーでもあるPUERTOのカウンターでナイトキャップを楽しむことにしました。珍しく女性のバーテンダーで、伊勢出身とのこと。彼女の作ったジントニックは、久しぶりに自分の好み通りのものでした。ジントニックは最も難しいドリンクの1つなんですよ!その後に頼んだシングルモルトのラフロイも、お願いした通りに水を2滴のみ加えるってのも、しっかりと守ってくれました。但し、この時のチェイサーに貰った水のグラスがちょっと生臭かったのにはがっかりでした。

5月9日(木)
約束に従って朝食に降りて行くと、何時も通りにLeeとRussが時間通りに降りて来ました。するとRussは開口一番に、「ここのバーの女性のバーテンダーが夕べ作ってくれたマーガリータはパーフェクトだった」と!Russは私がバーに行った直前に同じカウンターに座っていたことが判明。
4番目にテーブルに着いたのはSteve、そして、DannyとWaddyが登場。Russがすかさず「Kaz,nobody talks to Danny until he finishes his breakfast!」と助言してくれました。(笑)とにかく、朝のDannyはご機嫌斜めなんです。ベーコン&エッグの大盛を平らげ、3倍目のコーヒーの頃になるとDannyに笑顔が見られ始めました!
この日は終日休養日なので、レストランの朝食時間が終了するまで6人でワーワーやった後、17時にPUERTOに集合することを決め、夕食は、これもホテルの直ぐ近くに見つけておいた「世界の山ちゃん」にすることに決定。最初、手羽先って言ったらWaddyとDannyから「What a fck…」ってな反応が有ったのですが、David Lindleyの大好物なんだって言ったら「OK」になりました。(笑)これ、本当のことなんですよ。
この日、私は午後2時から名古屋ブルーノートにてミーティングが予定されていただけだったので、午前中はのんびりとランニングをすることにしました。
Steveは歩いて名古屋城を見学に行くと言うことで、1人で出て行きました。午後には、Lee以外の4人で大須マーケットへショッピングへ行ったのですが、私はそう言うのはパスです!ミイラ取りがミイラになっちゃうからです!SteveとRussが居れば何処へ行っても安心ですしね!(笑)私が栄のブルーノートからホテルの在る伏見まで歩いて帰ってくる途中で、なんとDannyとWaddyと遭遇。彼らもホテルの近くまで来ていたのですが、そこからがどっちへ行ったら良いのかが全く分からなかったようでしたので、私と遭遇したことをとても喜んでいました。(笑)
17時になりロビー階のバー「PUERTO」に全員集合しました。カウンターではなく、テーブル席です。煩い!まるで学生時代の部活の飲み会みたいです。その日に大須マーケットで買った物の自慢大会です。Russは夕べと同じマーガリータ、私とWaddyはジントニック、Dannyはウォッカ・オン・ザ・ロック、Leeはトニックウォーターとライム、Steveはアイスティーとサイドにラムのシングルショット。これが今回のツアー開始の乾杯です。これを2ラウンドやった後、「山ちゃん」へ移動したのですが、Leeは、疲れているのと部屋でPhil Collinsのツアー用の練習をしたいと言うことで、ディナーはパスすることになりました。
こういうバーでの彼らの会話は凄いんですよ!その大半は、JamesとCaroleとの時代の話題なんです。Dannyが大体喋っていて、それに他の4人がちょこちょことコメントを加えるって感じなんですが、全てをレコーディングしておきたいと何時も思います。私も初めて訪ねたのですが、Dannyはちゃんと楽譜を読めるそうです。WaddyやSteve、もちろんLeeも音楽を勉強していましたから読めることは分かっていましたけど、Dannyは怪しいじゃないですか?でもDannyもしっかりと勉強したんですって!但し、セッションの仕事を始めてみると、一度も楽譜で決められたものを弾かされたことはなく、全てコード譜、多くはコード譜も無い状態で、プロデューサーからお前が感じるままに弾けって言われたのだそうです。それ故、楽譜を読む必要が一切無かったんだそうです。それから、一番衝撃的な言葉は、「セッションで雇われた時に、プロデューサーに求められることに全てYesと言ってやっているミュージシャンは、単なるセッションミュージシャンで終わっちゃうんだよ。自分で無くても出来るような仕事や、これは自分じゃないって思う仕事の時には、No! そんなの俺には出来ないって言うか、それでも強要されたらわざと間違えてクビにされるように仕向けるんだよ!」でした。それにはWaddyも思いっきり同意していて、彼がわざと間違え続けてスタジオから帰されたこととかの話が沢山出てきました。DannyはPeter AsherからJamesのセッションで、カントリー風のスライドを弾いて欲しいと言われ、「それは俺のスタイルじゃないから絶対に出来ない!」とはっきりと断った話も出ていました。山ちゃんの予約の時間を5分も過ぎてしまっていたので、手羽先に対して猜疑心の塊になっていたギターリスト3人をRussが何時ものように諭す感じでPUERTOを出て、ホテルの直ぐ裏に在る山ちゃんへ向かいました。因みに、その時のバーの勘定はDannyがピックアップしてくれました。

山ちゃんでは、極力禁煙と呼べる席をお願いしていたので、他のテーブルから隔離された席に案内されました。東京の山ちゃんでは、完全に分煙されているのですけど、未だ名古屋には禁煙文化が浸透していないようですね。山ちゃんの様な店では、メニューと異なる物が作れないって言うのか、融通が利かないと言うのか、もちろん、日本語がまともに通じないことも有り(店のサーバー達が外国人の為)、野菜以外の物体が載っていないサラダが頼めないのです。どれにもチキンだとかツナが載っちゃってるんですよ。それらを載せずに野菜のみにドレッシングを掛けて出すだけなのに!!
まあ、とにかく乾杯!そして、山盛りの手羽先が出てきてからは、急激に雰囲気が好転。「こんな美味しいチキンウィングは生まれて初めて食べた!Davidも正しいことを言うことがあるんだ!!」とDannyもWaddyも大満足でした。帰り道でも、Dannyは私を強くハグして、「The best chicken I ever had! Good job, little brother!」と言ってくれました。ホテルに戻ったのは20時半!これからどうするの?Steveは、Waddyと一緒に近くの7-11へクリームパフ(シュークリーム)を買いに行くことに、、Dannyはベッドへ直行でした。Leeは部屋で練習中でしたが、DannyもWaddyもSteveも、とにかく時間が有れば部屋で練習しています。世界一のアーティスト達は皆そうなんですけどね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月10日(金)今日は今回最初のショーデイ。RussとLeeのロビーコールは11時45分で、他の3人は13時45分。先ずは、8時の朝食からスタートです。皆、初日よりは長く寝られたのか、8時に降りて来たのは、私とRussのみでした。8時半頃にWaddyからテックスメッセージが入り、今日は9時からに変更!と言って来ました。(笑)
そこで、久しぶりにRussとゆっくりと話すチャンスが到来!Russの希望で、Kazと全く同じ様に日本スタイルの朝食を食べたいとのことで、のんびりと手ほどきを!焼き魚(鮭)と味噌汁に感動していましたよ!
そして、コーヒーを飲みながら他のメンバー達を待っている間、Russが切り出したのですが、「Kazには、ただの友人では無くて、もっとずーっと深い縁を感じるんだよ。先ずKazは、John StewartやMFQの連中とファミリーの様な関係にあるよね、自分もJohnやHenry達がいなかったらプロになっていないんだよ。Cyrusに至っては自分にとっての父親みたいな、先生みたいな存在なんだよ。そんな自分のバックグラウンドとなる連中とファミリーなんだから、もうそれ以上のものは無いよ。100%信頼出来るし、子供の頃から一緒に育って来た本当の弟みたいに思えるんだよ・・・・」と。そして、これは以前にも話してくれたのですが、Russは初めて日本に来た時に、自分は前世で日本人だったんだ。この国に確かに住んでいたことがあると強く感じるそうです。私も、実は、スイスのジュネーブにそんな感覚を持っていますので、Russが言うことが良く理解出来ます。Russは、とにかく日本に降り立つと同時に、何とも言えない懐かしいような、リラックスした気持ちになれるんだそうです。ふと気づくとLeeも降りて来ていて、「Good morning children!」と言ういつもの挨拶の後、フルーツとコーヒーを始めていました。平和な朝のひと時はそこまで。9時になり、ギターリスト達が降りて来てからは、これも何時も通りのカオス!


11時45分のロビーコールは、ルーティン通りに、LeeとRussは15分前に降りて来ました。もちろん、私はこの2人の前に常に行動をしています。名古屋ブルーノートの支配人濱田さんの運転するミニバスにてブルーノートへ向かいました。名古屋ブルーノートも、バックラインはビルボード・ジャパンと同じくサンフォニックス(株)が担当しているので、100%安心していましたが、会場に入ると、懐かしい顔のタツさんが大阪から出張して来て下さっていて、テキパキと指揮をとっていました。Russ用のDWのセットには既にヘッドも取り付けられていて、しかも、チューニングが昨年のチューニングとほぼ同じにセットされていました。流石サンフォニックスです。今回は、ステージプロットがより単純化され、RussはLeeのベースアンプからのエクステンションや、フロアモニターを排除し、イヤーモニターのみにしましたが、そのインフォメーションは私に届いていなかった為、その場で2台のスピーカ―をステージから下ろしました。LeeのDemiterアンプとHartkeのキャビネットは、去年と全く同じセットアップなので、10分もしない中にLeeは「I am ready!」と笑顔を見せてくれました。Leeも昨年の時の上手から下手へと移動した為に、Dannyのアンプの位置の調整が大変だと言うことで、とにかくチルドレンが来る前に、仮押さえしてしまおうと、自分達の機材よりもそれに時間を使いました。初めて我々と仕事をするサンフォニックス名古屋のクルー達は、余りのスムースさに驚いているようでしたので、「これは嵐の前の静けさですよ!ギターリスト3人が登場すると凄いことになりますよ!」と警告をしました。
そして、それを裏切ることなく、ギターリストが到着したと同時に、一時的にですが、嵐が吹きまくりました。もちろん、私はニコニコしながら見ているだけです。サウンド云々よりも、5人のポジションを決めるのが大変なんです。これはステージプロットでは表現しきれず、その場でやるしか無いことなんですが、名古屋が最初だっただけに、少々時間が掛かりました。実際のサウンドチェックはとてもスムースに終了。ホテルに戻って休養。本番のロビーコールは17時30分。

 

 

 

 

 

 

 

Set List for NBN 05/10/19 (1st Set)

1. Lawyers, Guns and Money (Waddy)
2. Dirty Laundry (Danny)
3. 3:45 Coming Through (Steve)
4. Hi Maintenance Girlfriend (Waddy)
5. Machine Gun Kelly (Danny)
6. Somebody’s Baby (Steve)
7. Fair Warning (Waddy)
8. Cruel Twist (Danny)
9. New York Minute (Steve)
10. Not Made That Way (Danny)
11. Time To Come Clean (Steve & Waddy)
12. Werewolves Of London(Waddy)
Encore
13. Divorce (Danny)
14. All She Wants To Do Is Dance (Danny)

Set List for NBN 05/10/19 (2nd Set)

1. Lawyers, Guns and Money (Waddy)
2. Honey Don’t Leave LA (Danny)
3. 3:45 Coming Through (Steve)
4. Dirty Laundry (Danny)
5. Hi Maintenance Girlfriend (Waddy)
6. Somebody’s Baby (Steve)
7. Fair Warning (Waddy)
8. Machine Gun Kelly (Danny)
9. New York Minute (Steve)
10. Cruel Twist(Danny)
11. Time To Come Clean (Steve & Waddy)
12. Werewolves Of London(Waddy)
Encore
13. Divorce (Danny)
14. All She Wants To Do Is Dance (Danny)

翌日の大阪への移動は新幹線なので、ショーの後で、楽器のトランポ用に、ホテルからギターとベース用のハードケースをブルーノートへ届けなくてはならず、支配人の濱田さんに御足労をお掛けしました。トランポのトラックに楽器を積み終え、店内へ戻ると物販の清算と配送の準備がちょうど終わった寺村氏と共に、軽い打ち上げをすることになり、夜の栄の街をウロウロと歩き廻ったあげく、結局一風堂で生、餃子、ラーメン!ホテルに戻ったのは2時でした。