Blog by 大貫憲章

『FIGHT FOR RIGHT』

久しぶりにちゃんとバンドのライブを見た。昨日、新宿のライブハウスMARZで行われたイベント『FIGHT FOR RIGHT』に、DJとして誘われ、出演するのがスペインの女性ボーカルをフィーチャーしたパンクなスタイルのKOKEINに、日本側からはBRAHMANも出るというので、即OKした次第。

これを主催しているのは、昔からの仲間でGRCでもDJしてもらっている藤井悟くん、須藤カズヒロくんらのチーム、CARIBBEAN DANDYと海外から沢山の優れた素晴らしいアーティストを、地道に呼んで日本に世界の今を紹介しているプロモーターのJAPONICUSの連合軍。

日本で最近ようやく一部ながら人気を集めつつある南米ゆかりの音楽クンビアをロックな感性で発信しているLAのバンド、VERY BE CAREFULやマドンナがぞっこんとの話題でにわかに注目された、多国籍なワールド・ミュージックで世界を斬りまくるGOGOL BORDELLOなどを数年来プッシュしてきた彼らの先見性や行動力に賛辞を贈りたい。

とは言え、現実はまだまだ厳しく、海外から呼んだバンドも、日本ではほとんど知名度ナッシングだったりで、ツアーもままならないことが少なくないようだ。そういう事情もあり、日本側から人気のあるバンドを呼んだりして、何とか形にしている。

それでも、BRAHMANクラスだとチケットはそのファンだけで即完で、興行的には成功でも本来の主旨からはだいぶ離れた結果となる。
今回、当初は日本側のいくつかのバンドがやって、最後のトリに海外からのバンドで締める、という、いつもの予定だったのが、お客さんの大半がBRAHMAN目当てでは、果たして最後まで残ってKOKEINをちゃんと見てくれるか大いに疑問だったので、急遽BRAHMANがトリという形に変えたようだ。

ぼくはKOKEINから見たのだが、パンパンに膨れ上がった場内のお客さんは予想通り、実に整然と観覧している。モッシュなどどこにもない。たまに歓声が上がり拍手があるというフツーなライブ。最後に、ブルーハーツの「リンダリンダ」のカバーをやって、初めて人波が動き声援がとんだ。なんとも不可思議な気持ち、というより、やっぱりおかしいよね。みんなもっと、知らなくてもカッコイイことステージでやってたら、ちゃんと応えなきゃ。

その後、ぼくのDJでしたが、ま、フツーにBGMでした。もっともぼくはKOKEINとBRAHMANのために普段かけないような、DOORSの「Spanish Caravan」とJETHRO TULLの「Teacher」なんかをプレイしました。パンクは少なめにして。

もちろんBRAHMANのライブは久々だったけれど、日本側の代表格として存分なステージ・パフォーマンスで場内は一気に加熱しダイブとモッシュの嵐となり、メンバーたちもいつにも増して気合いの入った演奏で、終わった後もいい顔してました。改めて彼らの魅力、底力に感動させられた夜になりました。

ただ、いつの日か、日本のお客さんたちがイベント全体を心底丸ごとエンジョイしてくれるよう、そう願いたい夜だったことも確かでした。